診療支援
治療

48フッ化水素酸
上條 吉人
(北里大学特任教授・中毒・心身総合救急医学)

最初の10分メモ

含有する製品

・フッ化水素酸は,半導体,ハイオクガソリン,プラスチック,染料などの製造やガラスの食刻,電気メッキ,皮なめしなどに用いられている.また,さび取り剤の主要成分としても用いられている.下記の化学反応式のように,フッ化カルシウム(CaF2)を主成分とする蛍石と濃硫酸を混ぜ合わせると無水フッ化水素酸(フッ化水素)が発生する.

  CaF2+H2SO4→2HF+CaSO4


診断のポイント

・フッ化水素酸への曝露歴または曝露が生じる状況がある患者に,皮膚汚染では,拍動性の激しい疼痛などを,吸入では,眼痛,鼻炎,咳嗽,呼吸困難などを,経口摂取では,嚥下痛,前胸部痛,心窩部痛などを認める.

・いずれの経路の曝露でも低カルシウム血症,低マグネシウム血症,高カリウム血症などの電解質異常を認める.

・曝露されたフッ化水素酸の濃度,曝露された時間および持続時間,曝露様式,現場での応急処置などの情

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