18　ドロシー・L・セイヤーズ　『毒を食らわば』

上條　吉人

（北里大学特任教授・中毒・心身総合救急医学）

　作家のフィリップ・ボーイズはヒ素を混入されたオムレツを食べて殺害される．

　この作品のなかでヒ素について「ヒ素の性質として，体内を極めて短時間で通過するというものがあります．ヒ素が内臓の内側の膜を刺激し，排泄を促進するからです．通過速度は粉末の状態より，液体

初出:急性中毒診療レジデントマニュアル　第2版 発行:2012年8月

収載:医学書院 医療情報サービス（2024年5月17日　掲-ID：qcs_01553-02_a004b001z0018）