適応
重症筋無力症
用法
1日180mg 分3 ►医師の監督下に,症状に応じて適宜,用量及び服用回数を増減
禁忌
1)過敏症
2)消化管又は尿路の器質的閉塞(蠕動運動を亢進,また排尿筋を収縮させる)
3)迷走神経緊張症(迷走神経を興奮させる)
4)脱分極性筋弛緩薬(スキサメトニウム)投与中
注意
〈基本〉
①重症筋無力症では,症状の重篤かつ急速な悪化をみる場合がある(クリーゼ).クリーゼには抗ChE薬不足による筋無力症性のクリーゼ(症状:呼吸困難,唾液排出困難,チアノーゼ,全身の脱力等)と同薬過剰によるコリン作動性クリーゼ(症状:腹痛,下痢,発汗,流涎,縮瞳,線維性痙攣,徐脈等)とがあり,鑑別は以下のとおり
a)筋無力症クリーゼ:エドロホニウム10mgを,まず2mgを静注し,約1分前後で過敏反応がみられない場合に,残りの8mgを投与.これにより筋力の改善が認められれば,筋無力症性クリーゼであるので,本剤を増量
b)コリン作動性クリーゼ:エドロホニウム投与後に症状悪化がみられればコリン作動性クリーゼであるので,直ちに投与中止し,アトロピン1~2mg静注.必要に応じて陽圧人工呼吸,気管切開等により気道確保
②ムスカリン様作用軽減のために,アトロピンを投与することは,コリン作動性作用を過小評価し,本剤の過剰投与を招くおそれがあるので,常用すべきではない
患者背景
〈合併・既往〉
①気管支喘息(気管支平滑筋を収縮させ,悪化)
②冠動脈閉塞(冠血流を著しく低下)
③徐脈(心拍数低下)
④消化性潰瘍(胃液分泌を亢進させ悪化)
⑤てんかん(悪化)
⑥パーキンソン症候群(悪化)
〈腎〉高い血中濃度が持続
〈妊婦〉妊C有益のみ 〈授乳婦〉有益性を考慮して継続または中止 〈小児〉臨床試験は未実施 〈高齢〉少量から開始等慎重に(主に腎排泄のため,腎機能低下により高い血中濃度が持続するおそれ)
相互
〈併用禁忌〉脱分極性筋弛緩薬(スキサメトニウム)