主に「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2021」に沿って述べる.
〔概要〕
アトピー性皮膚炎はかゆみを伴う湿疹を主体とする疾患で,増悪・寛解を繰り返し,患者の多くはアトピー素因〔1)アレルギー性疾患(気管支喘息,アレルギー性鼻炎,アトピー性皮膚炎)の家族歴・既往歴,2)IgE抗体を産生しやすい素因〕をもつ.本症の病態は複雑だが,1)皮膚のバリア機能の異常〔表皮最外層(角層)の細胞間脂質・表皮蛋白質(フィラグリンなど)の減少と皮膚表面の乾燥〕,2)アレルゲンや病原微生物(黄色ブドウ球菌など)の表皮を経由した侵入に対する強い免疫反応〔2型ヘルパーT(Th2)細胞主体〕,3)かゆみの閾値の低下などが相乗的に作用して,瘙痒・掻破行動の悪循環(itch scratch cycle)を形成し,疾患が慢性化する.また,増悪因子として,ダニ,ハウスダスト,精神的ストレスなど,さまざまな外的刺激がある(アトピ
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