診療支援
治療

【2】過換気症候群
hyperventilation syndrome
陳 和夫
(京都大学大学院特定教授・呼吸管理睡眠制御学)

疾患を疑うポイント

●胸痛や腹痛などを起こす器質的疾患がなく起こる,いわゆる心理的な過換気症候群の症状は,呼吸困難,しびれなどの症状とともに,呼吸器系,神経系,循環器系,精神科系,消化器系など各臓器にわたり多彩.

学びのポイント

●過換気を起こす病態は多くあり(表2-41),その症状も多彩であるが,いわゆる心理的な過換気症候群は過換気を起こす器質的な疾患の除外後診断が下される.

▼定義

‍ 過換気とは代謝要求量(体内の二酸化炭素産生量)以上に過剰な肺胞換気を行い,動脈血PaCO2値が35mmHg未満に低下した状態.

▼病態

‍ 過換気(hyperventilation)は多くの病態でみられ,狭心症や気管支喘息軽症発作などの器質的疾患を除外した後,いわゆる心理的な過換気症候群とされる.呼吸の調節系には血中の酸素,二酸化炭素値によって調節を受ける化学調節と肺内の受容体などの神経調節のほかに大脳から行動調節

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?