診療支援
治療

2 非小細胞肺癌
non-small cell lung cancer(NSCLC)
前門戸 任
(岩手医科大学教授・呼吸器・アレルギー・膠原病内科)

疾患を疑うポイント

●喫煙者や高齢者に多いが,非喫煙者,若年者の肺癌も増えている.

●特徴的な臨床症状や臨床検査所見はないものの,血痰が肺癌に多い.

●画像検査で疑うことになるが,典型例な結節・腫瘤陰影ばかりではない.

学びのポイント

●肺癌死亡数は男性で1位,女性で2位と悪性度の高い癌.喫煙はいまだに最大の原因ではあるが,非喫煙者の肺癌,とりわけ腺癌が増えている.

●ドライバー遺伝子変異肺癌に対する分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬など,肺癌診療の進歩は著しく,適切な診断・治療が求められる.

▼定義

 原発性肺癌は,気管支から細気管支・肺胞領域までの肺組織に由来する上皮性悪性腫瘍であり,肺癌の組織型は,その進行・転移スピードの違いから治療方針が異なるため小細胞肺癌非小細胞肺癌に分けられる.非小細胞肺癌は主に腺癌,扁平上皮癌,大細胞癌に分けられ,原発性肺癌の約80%を占める.

▼病因

 肺癌の多くは喫煙

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