疾患を疑うポイント
●肺の両側,肺底区優位に多発性の結節影を認めること.
●結節の形状が辺縁整で球形を呈していること.
●癌性リンパ管症では,辺縁不整な粗い気管支血管束の肥厚像を認めること.
学びのポイント
●癌の転移経路としては,血行性,リンパ行性および管腔性(気道性)があるが,多くは血行性であり,肺は血管床が豊富で,循環する腫瘍細胞が最初に接触するのが肺の毛細血管床であるため,多くの癌で肺への転移が多い.
●リンパ行性転移では,癌性リンパ管症を呈することがある.
●転移性肺腫瘍の画像所見としては,①多発ないし単発の肺結節,②癌性リンパ管症,③気管支内腔の結節,④胸水などがみられる.
●治療は原則として,原発腫瘍に有効とされる薬剤を用いた抗がん剤治療.
▼定義
他臓器の原発巣から離脱して,脈管や気道を通じて肺に転移し,病巣を生じた腫瘍を転移性肺腫瘍とよぶ.腫瘍としての生物学的特徴は原発臓器の特徴を受け継い