診療支援
治療

3 発生機序
古川 哲史
(東京医科歯科大学・難治疾患研究所・生体情報薬理学教授)

▼徐脈性不整脈と頻脈性不整脈

 徐脈性不整脈は,洞結節・房室結節の線維化や変性などの組織学的な異常によって起こる.サルコイドーシスなどの代謝性疾患もこれらの特殊刺激伝導系に病変が及ぶと徐脈性不整脈を生じる.それ以外にも,遺伝子の異常,電解質異常,薬物の影響,他臓器の疾患(甲状腺機能低下症など)が原因で起こる場合がある.

 頻脈性不整脈・期外収縮の発生機序は,大きく次の3つに分類される.

●異常自動能の亢進

●トリガードアクティビティ

●リエントリー

▼異常自動能の亢進

 特殊刺激伝導系は,洞結節からPurkinje線維に至るまで自動能を有している.この自動能にはヒエラルキーがあり,正常では洞結節の自動能が最も高く,このため洞調律となる.このヒエラルキーが崩れる2つのパターンがある.1つは,徐脈不整脈の洞結節の自動能が低下した洞不全症候群である.もう1つは,下位の自動能が異常に亢進したり,通常は自動能をも

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?