●冠血流を正常に復する血行再建術には狭窄を解除することによる方法(経皮的冠動脈インターベンション,percutaneous coronary intervention:PCI)と狭窄の遠位に新しい血流の道をつくる方法(冠動脈バイパス術)がある.PCIは局所麻酔で橈骨動脈または大腿動脈にシースを留置し,このシースからカテーテルを冠動脈入口部まで挿入し,そのカテーテルを通して冠動脈末梢まで細いガイドワイヤーを挿入する.ついで,拡張デバイスをこのガイドワイヤーに載せて病変部まで運び拡張を行う.低侵襲が最大のメリットであるが,造影剤を用いて行う治療のため腎機能障害のある症例には選択できない.
●種類:バルーンによる拡張術,ステントを留置する拡張術,粥腫を切削し拡張を得る方法に大別される(図3-17図).ステントは金属の筒で,バルーンに装着された状態で病変に運ばれ,病変部で拡張される.ステントの周囲に