▼定義
食道アカラシアは下部食道括約筋(lower esophageal sphincter:LES)の弛緩不全と食道体部の蠕動運動障害により,液体,固形物の食道から胃への通過障害を呈する疾患である.
▼病態
神経障害の原因は明らかでないが,筋層間神経叢〔Auerbach(アウエルバッハ)神経叢〕の神経節細胞変性や消失が認められている.
▼疫学
発症年齢は成人に多くみられるが,小児から高齢者の幅広い年齢層にも認められ,男女差はない.発症率はおよそ1人/10万人/年程度である.
▼分類・診断
➊食道造影検査
食道造影検査により得られる画像から,直線型,シグモイド型の拡張型に分類する.また,最大横径から拡張度をⅠ~Ⅲ度まで分類する.
➋食道内圧測定検査
1)食道内圧測定(食道アカラシア取扱い規約)
不完全型,完全型の2種類に分類している.両型とも食道胃接合部の陰性波は消失し,不完全型は嚥下による食道陽性波