▼病態
胃のポリープのなかでは,最も頻度が高い.過形成性ポリープはHelicobacter pylori感染による活動性慢性胃炎粘膜を背景に発生する.一方,H. pyloriによる慢性胃炎を有しない正常胃粘膜に過形成性ポリープを認めることはきわめてまれである.組織学的には胃腺窩上皮が著明な過形成性変化を呈し,間質には,毛細血管の増生や拡張,炎症細胞浸潤,浮腫を伴う.ポリープ表面の上皮には,慢性活動性炎症を認め,びらんを伴うことがある(図4-28図).過形成性ポリープの癌化は,まれであるが,サイズが大きいものは,癌化する可能性がある.
▼疫学
H. pyloriによる慢性胃炎患者に認めることは,前述した通りであるが,一般に加齢とともに増加する.約70%が単発例であるが,加齢に伴い多発する例が増加する傾向にある.性差はない.
▼診断
過形成性ポリープにより症状を起こすことは少なく,ほかのポリープ