診療支援
治療

(1)家族性大腸腺腫症
familial adenomatous polyposis(FAP)
石川 秀樹
(京都府立医科大学特任教授・分子標的予防医学)

▼定義

 大腸に腺腫が多発する常染色体優性遺伝性疾患.大腸に100個以上の腺腫を有する,または,大腸の腺腫数が10~100個未満だが本疾患に矛盾しない家族歴を有する場合はFAPと診断される.APC遺伝子の病的変異が認められれば,大腸腺腫数や家族歴にかかわらず診断される.

▼病態

 癌抑制遺伝子のAPC遺伝子の異常により発症する.

▼疫学

 わが国の患者数は約7,300人と推定されている.

▼分類

 大腸腺腫の密度により「密生型FAP」「非密生型FAP」「attenuat

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