診療支援
治療

3 慢性肝炎
chronic hepatitis
須田 剛生
(北海道大学大学院・消化器内科学)
坂本 直哉
(北海道大学大学院教授・消化器内科学)

疾患を疑うポイント

●自覚症状が乏しいことも多いために,健康診断などにより,AST,ALTなどの上昇により疑われることが多い.

学びのポイント

●慢性肝炎は,肝炎ウイルスの慢性感染,自己免疫的な機序,脂肪肝炎などにより慢性的に肝臓に炎症細胞浸潤を伴う炎症が起こっている状態.

●肝炎の持続により肝線維化の進行を伴い,最終的に肝硬変へと進展しうる.

●ウイルス性肝炎に対する治療法は,近年画期的な進歩を遂げている.

●肥満や,糖尿病などに伴う脂肪肝の一部では炎症細胞浸潤を伴い,持続的な炎症,肝線維化の進展を認めNAFLDとよばれ,肥満の人やメタボリックシンドロームの患者の増加に伴って患者数は増加傾向である.

▼定義

 なんらかの原因により,6か月以上持続する肝臓の持続的炎症が起こっている状態

▼病態

 肝炎ウイルス(B型肝炎ウイルス,C型肝炎ウイルス)の肝細胞への持続感染では,肝炎ウイルス感染肝細胞に対する免疫反

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?