診療支援
治療

(1)単純性肝囊胞
阪森 亮太郎
(大阪大学大学院学内講師・消化器内科学)
竹原 徹郎
(大阪大学大学院教授・消化器内科学)

▼病理・病態生理

 囊胞の内腔側は単層の扁平ないし立方上皮で取り囲まれ,囊胞壁は線維性被膜に包まれ,囊胞と周囲肝組織の境界は明瞭である.内部の液体は淡褐色で漿液性である.先天性発生異常によると考えられているが明らかではない.単発または多発する.多発する肝囊胞には遺伝性疾患である多発性肝囊胞があり,肝臓のみに囊胞が多発する常染色体優性多囊胞性肝疾患と,腎臓にも囊

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