疾患を疑うポイント
●原因不明の難治性胆管炎や門脈圧亢進症.
●限局性の肝内胆管拡張.
●若年性胆石症や若年性胆管細胞癌.
学びのポイント
●先天性胆道拡張症と区別する.
●拡張胆管は肝内に限局している.
●多発性囊胞腎を併発することが多い.
▼定義
肝内(末梢)胆管に限局性に囊状拡張が多数認められる先天性胆管形態異常で,先天性の肝外胆管拡張は伴わないものと定義される.本邦では,約90%に先天性肝線維症が合併するが,肝線維症を伴わず肝内胆管の多発性囊状拡張のみの型(pure type)も存在する.
▼病因
原始胆管板(ductal plate)の形成異常が関与すると考えられている.最近では,一次絨毛を構成する分子異常(絨毛病)との関連も示唆され,特に肝と腎に多発性の囊胞疾患を伴う肝腎囊胞線維症(hepatorenal fibrocystic disease)は,絨毛病の一部として理解される.常染色体優性多