▼定義
胆道感染症はなんらかの原因によって胆管閉塞をきたし胆汁の通過障害が起こることで,胆汁がうっ滞し胆汁中の細菌が増殖し感染を起こす炎症性疾患である.
▼病態
急性胆管炎は閉塞した胆管内で胆汁中の細菌やエンドトキシンが血管内に移行し,菌血症および敗血症を生じる.また,胆道系は胆道内圧上昇による影響を解剖学的に受けやすく,胆道内圧上昇により細胆管が破綻し,細菌や胆汁内容物が肝内,血中へと移行しやすく急性胆囊炎に比べ,肝膿瘍や敗血症など重篤になりやすい.
胆管閉塞の原因としては総胆管結石が多いが,胆道癌,膵癌,リンパ節転移による悪性胆道狭窄,硬化性胆管炎や慢性膵炎などの良性胆管狭窄が挙げられる.また近年では,胆道癌,膵癌の増加に伴い悪性胆道狭窄に対する胆道ドレナージステントの閉塞や胆道外科手術後の胆道消化管吻合部狭窄によるものも多い.
起因菌については腸管から胆管へ逆行する上行性感染が多く