疾患を疑うポイント
●重症な高コレステロール血症,角膜輪,腱黄色腫,早発性冠動脈疾患を契機に疑う.一定の年齢以上ではアキレス腱肥厚の診断特異度が高い.高コレステロール血症や早発性冠動脈疾患の家族歴も重要.
学びのポイント
●最も高頻度の単一遺伝子疾患であるにもかかわらず,低い診断率が問題視されている.
●7~8割の症例においてLDLRかPCSK9の変異が同定できる.
●スタチンや抗PCSK9抗体による早期からの治療によって冠動脈疾患の予防が期待できる.
●ホモ接合体にはLDLアフェレシスが有効.
▼定義
高LDLコレステロール血症が家系内に集積する常染色体遺伝性の疾患.大部分は常染色体優性遺伝を示す.早発性冠動脈疾患と腱・皮膚黄色腫を高率に合併する.
▼病態
ホモ接合体(homozygous FH:HoFH)は出生時からLDL-Cが著増し,遅くとも4歳までに皮膚黄色腫が出現し,腱黄色腫・角膜輪・全身の動脈
関連リンク
- 治療薬マニュアル2024/エゼチミブ《ゼチーア》
- 治療薬マニュアル2024/(合剤)エゼチミブ・アトルバスタチンカルシウム水和物配合剤《アトーゼット》
- 治療薬マニュアル2024/(合剤)エゼチミブ・ロスバスタチンカルシウム配合剤《ロスーゼット》
- 治療薬マニュアル2024/エボロクマブ(遺伝子組換え)《レパーサ》
- 治療薬マニュアル2024/コレスチラミン《クエストラン》
- 治療薬マニュアル2024/コレスチミド(コレスチラン)《コレバイン》
- 新臨床内科学 第10版/(1)原発性高カイロミクロン血症
- 新臨床内科学 第10版/(3)家族性複合型高脂血症
- 新臨床内科学 第10版/(4)家族性Ⅲ型高脂血症
- 新臨床内科学 第10版/(5)原発性高HDL-コレステロール血症
- 新臨床内科学 第10版/(1)家族性低βリポ蛋白血症
- 新臨床内科学 第10版/(5)タンジール病
- 新臨床内科学 第10版/【4】高ホモシステイン血症
- 今日の診断指針 第8版/原発性高脂血症
- 今日の診断指針 第8版/シトステロール血症