疾患を疑うポイント
●HDL-Cが80~250mg/dLと高値.
学びのポイント
●わが国における高HDL-C血症の大部分はCETP欠損症.
●高HDL-C血症を診たら原発性胆汁性肝硬変,甲状腺機能低下症などの二次性疾患を除外し,CETP活性・蛋白量を測定して原因を検索.
●CETP欠損症では動脈硬化合併例が認められる.
●ほかに高HDL-C血症をきたす非常にまれな疾患として,家族性肝性トリグリセリドリパーゼ(hepatic triglyceride lipase:HTGL)欠損症がある.
▼定義
コレステリルエステル転送蛋白(cholesteryl ester transfer protein:CETP)欠損症はCETPの欠損により高HDL-C血症をきたす疾患.
▼病態
CETPはリポ蛋白間の脂質の転送を担う蛋白である.CETPはコレステリルエステル(cholesteryl ester:CE)をHDL