診療支援
治療

(6)家族性レシチンコレステロールアシルトランスフェラーゼ欠損症
familial LCAT deficiency
井出 佳奈
(千葉大学大学院・内分泌代謝・血液・老年内科学)
横手 幸太郎
(千葉大学大学院教授・内分泌代謝・血液・老年内科学)

▼定義

 レシチンコレステロールアシルトランスフェラーゼ(lecithin cholesterol acyltransferase:LCAT)遺伝子の異常に起因する常染色体劣性遺伝性疾患である.血清コレステリルエステルの著明な低下を伴う古典的な家族性LCAT欠損症とコレステリルエステル比の低下を伴わない魚眼病(fish eye disease)とに分けられる.

▼病態

 LCATはリポ蛋白に含まれる遊離コレステロールのエステル化に重要な酵素である.LCATの欠損により,血清TCに占める遊離コレステロールの比率が増加する.また成熟HDLの形成が阻害され,低HDL-C血症をきたす.さらに組成の変化した異常なリポ蛋白が組織に沈着することで腎障害や溶血性貧血,角膜混濁(図6-22)をきたす.部分欠損症とされる魚眼病では,HDL粒子のコレステロールをエステル化するαLCAT活性は欠損するが,VLDLやL

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