診療支援
治療

(2)PRPP合成酵素亢進症
phosphoribosylpyrophosphate synthetase superactivity
植木 将弘
(北海道大学病院・小児科)
有賀 正
(北海道大学名誉教授)

疾患を疑うポイント

●家族歴を伴う下記の特徴をもつ高尿酸血症患者.

①乳幼児:難聴・筋緊張低下など神経症状を伴う産生過剰型高尿酸血症.

②成人:産生過剰型高尿酸血症.

▼定義

 phosphoribosylpyrophosphate(PRPP)合成酵素活性の亢進を伴う,X染色体優性(顕性)遺伝形式の高尿酸血症である.

▼病態

 PRPP合成酵素はプリンde novo合成経路やプリン代謝経路,ピリミジンde novo合成において重要な基質であるPRPPの生成反応を触媒する酵素である.この酵素の活性上昇またはnegative feedback機能の低下により高尿酸血症とそれに関連する症状を呈する.

▼分類

 酵素学・遺伝学的には調節的性質異常型(フィードバック障害),最大活性上昇型(転写亢進型)と混在型に分類され,臨床的には神経症状を伴わない成人発症例(転写亢進型に多い)と神経症状を伴う乳幼児発症例(フィードバ

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