疾患を疑うポイント
●乳幼児期や小児期に診断される尿路結石症.
▼定義
adenine phosphoribosyltransferase(APRT)をコードするAPRT遺伝子の異常により酵素活性が低下もしくは欠失することで発症する常染色体劣性(潜性)遺伝疾患である.
▼病態
APRTの活性低下により2,8-ジヒドロキシアデニン(dihydroxyadenine:DHA)が過剰に産生され,難溶性のDHAが尿中に排泄されて結晶化し,尿路結石症を発症する.診断時期は乳児期~成人と幅広い.また,結石症の反復などにより,慢性腎不全の原因となる.
▼分類・疫学
APRT酵素活性が完全に欠損するタイプ1欠損症と部分欠損のタイプ2欠損症がある.日本人では両者とも確認されており,タイプ2は日本人に比較的特徴的とされる.日本人ではヘテロ接合体の頻度は約1%とされ,本疾患のうちタイプ1が約22%,タイプ2が78%とさ