診療支援
治療

2 神経芽腫
neuroblastoma
田辺 晶代
(国立国際医療研究センター病院・糖尿病内分泌代謝科医長)

疾患を疑うポイント

●最も一般的な症状は大きな腹部腫瘤による腹部膨満.

学びのポイント

●小児癌のなかで白血病,脳腫瘍についで頻度が高い.

●褐色細胞腫と同様にカテコールアミンを産生するが,血圧上昇,頻脈など心血管系への影響がみられることはまれ.

●早期発見は困難,約70%の症例は診断時に遠隔転移が存在する.

▼定義

 胎生期の神経堤細胞由来の細胞の癌化により発生する悪性腫瘍.主に胎生期から新生児期に副腎髄質や交感神経節に発生する.

▼病態

 カテコールアミンを産生するが褐色細胞腫のように血圧上昇,頻脈など心血管系への影響がみられることはまれ.腹部腫瘤および転移部位での腫瘤形成,浸潤により局所における各種症状を呈する.

▼疫学

 米国では7,000人に1例の頻度で発生すると報告されている.小児癌の約10%を占め,白血病,脳腫瘍についで頻度が高い.わが国では小児慢性特定疾患治療研究事業の調査で年間約320例の新規

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?