診療支援
治療

卵巣疾患
ovarian disease
楢原 久司
(大分大学教授・産科婦人科)

疾患を疑うポイント

●思春期の卵巣機能低下や亢進は,二次性徴の出現時期の異常,または,月経異常で疑われることが多い.

●卵巣腫瘍は症状に乏しいことが特徴で,気づかないうちに大きくなり,悪性腫瘍として発見される場合も多い.卵巣腫瘍の茎捻転,破裂など,急性腹症でみつかる場合もある.

学びのポイント

●卵巣機能や月経周期の生理的な(正常の)調節機構についての基礎知識を学ぶ.

●二次性徴の発現時期と順序,初経の時期.

●早発・遅発思春期,早発・遅発月経,月経,初経,更年期,閉経,早発閉経などの定義.

●卵巣腫瘍(癌)の発生母地,分類,画像診断の重要性,治療と予後.

▼定義

 卵巣機能亢進症または卵巣機能低下症に関連する定義には,以下のものがある.

●早発月経:10歳未満の初経発来をいう.

●遅発初経:15歳以上での初経発来をいう.

●思春期:性機能の発現,すなわち乳房発育,陰毛発生などの二次性徴出現に始まり,初経を経て二

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