診療支援
治療

【1】好中球減少症,無顆粒球症
neutropenia,agranulocytosis
木村 文彦
(防衛医科大学校教授・内科学)

疾患を疑うポイント

●小児~高齢者のいずれの年齢でも発症しうる.

●血算で白血球減少を認めるとき.

●発症可能性が高い薬剤(抗甲状腺薬など)の投与下で,高熱を呈したとき.

学びのポイント

●好中球は細菌・真菌を貪食することで自然免疫を担っている.好中球の極端な減少は細菌感染・真菌感染の発症リスクを上げ,時に致死的となる.

●腋窩温37.5℃以上,好中球数500/μL未満あるいは1,000/μL未満で48時間以内に500/μL未満になると予測されるときは,発熱性好中球減少症と診断し,緊急対応が必要な感染症である.

●血液疾患や感染症,がん化学療法後に起こるが,特に抗がん剤以外による薬剤性好中球減少症・薬剤性無顆粒球症には原因薬剤の中止が必要である.

▼定義

 桿状核と分葉核をあわせた好中球数1,500/μL未満を好中球減少症とよび,軽度(1,000~1,500/μL).中等度(500~1,000/μL).重度

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