診療支援
治療

【7】急性リンパ性白血病
acute lymphoblastic leukemia(ALL)
賀古 真一
(自治医科大学附属さいたま医療センター・血液科准教授)

疾患を疑うポイント

●小児~高齢者のいずれの年齢でも発症しうるが,小児青年期に特に多い疾患.

●発熱,貧血症状,出血傾向などが初発症状であることが多い.リンパ節腫脹や肝脾腫を伴う場合もある.

学びのポイント

●ALLはリンパ芽球を起源とする腫瘍.

●年齢や合併症などの患者側の要素,染色体異常の有無などの白血病の要素のどちらも考慮し,適切な治療方針を選択する.

●多剤併用化学療法,同種造血幹細胞移植などの治療により,根治を目指せる疾患.

▼定義

 造血幹細胞からリンパ球に分化する過程の幼若な段階の細胞であるリンパ芽球の腫瘍である.ALLでは腫瘍細胞が骨髄,末梢血を占める.同じリンパ芽球の腫瘍でも髄外の腫瘤性病変を認めて,骨髄での腫瘍細胞の割合が20~25%以下の場合はリンパ芽球性リンパ腫(lymphoblastic lymphoma:LBL)とよばれることが多い.

▼病態

 腫瘍化したリンパ芽球(白血病細胞)が

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