疾患を疑うポイント
●高齢者に好発する,末梢血,皮膚病変を呈することが多い,花弁様核を有する成熟T細胞の白血病またはリンパ腫(図8-72図,73図).
●患者,患者の母親の出身地は,HTLV-1多発地域であることが多く,ATLの家族歴は少なくない.
学びのポイント
●予後,治療法ともに異なるので,まずほかの悪性リンパ腫と鑑別することが重要.
●特徴的な花弁様の核をもった細胞の形態とT細胞形質の同定と,抗体測定によるHTLV-1感染の同定で診断する.
●HTLV-1の母乳感染でHTLV-1ウイルス感染者(HTLV-1キャリアという)となった後,数十年の潜伏期を経て数%のキャリアが多段階発癌によってATLを発症する(図8-74図).
●臨床病型を分類してからその悪性度と患者の年齢・合併症などによって治療法を決定する(表8-58図).
▼定義
ヒトT細胞白血病ウイルスⅠ型(human T-cell leukem
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