診療支援
治療

【1】糸球体障害の病態生理(総論,免疫含む)
pathophysiology of glomerular diseases
淺沼 克彦
(千葉大学大学院教授・腎臓内科学)

▼症候診断(臨床症候分類)

 原発性糸球体障害では,糸球体が免疫学的機序あるいは非免疫学的機序により障害を受け,蛋白尿・血尿・腎機能障害が起こる.糸球体障害には,腎臓に障害が限局する原発性〔原因が不明の場合は特発性(idiopathic)〕糸球体疾患と全身性疾患〔糖尿病などの代謝性疾患,全身性エリテマトーデスなどの膠原病,抗好中球細胞質抗体(anti-neutrophil cytoplasmic antibody:ANCA)や紫斑病に伴う血管炎〕,二次性(secondary)および,遺伝性(genetic)であるAlport(アルポート)症候群や菲薄基底膜症候群に分類される.

‍ 糸球体腎炎(glomerulonephritis)の分類は,まず臨床経過を基準とした急性,亜急性,慢性に分類される.慢性糸球体腎炎のなかには,病因による疾患名が同じであってもさまざまな病理組織像を示すものがある.しか

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