診療支援
治療

2 クリオグロブリン血症
cryoglobulinemia
小松田 敦
(JA秋田厚生連雄勝中央病院・内科)

疾患を疑うポイント

●皮膚,関節,神経系,腎臓が主な罹患臓器で,紫斑,関節痛,しびれ,浮腫などに注意する.

●C型肝炎に合併することがある.

学びのポイント

●主に細動脈レベルの全身性血管炎.

▼定義

 クリオグロブリンは37℃より低い温度で沈殿し,37℃で加温すると再び溶ける性質をもつ免疫グロブリンである.クリオグロブリンが血中に増加した状態をクリオグロブリン血症とよぶ.

▼病態

 クリオグロブリンによる血栓症およびクリオグロブリンが血管壁に沈着して補体が活性化されることにより免疫複合体性血管炎が生じる.クリオグロブリンの主要な障害臓器が腎臓である.

▼疫学

 臨床症状を伴うクリオグロブリン血症の頻度は約10万人に1人である.しかし無症候性のクリオグロブリン血症はHIV感染者の15~20%,膠原病の15~25%,C型肝炎ウイルス持続陽性患者の40~65%に認められる.

▼分類

 クリオグロブリンは免疫グロブリン

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