診療支援
治療

5 間質性膀胱炎
interstitial cystitis(IC)
野宮 明
(国立国際医療研究センター病院・泌尿器科)

疾患を疑うポイント

●明らかな原因がなく,膀胱痛・違和感,尿意切迫感などの過知覚膀胱症状が長期間持続.

●膀胱痛・違和感は蓄尿に伴って悪化し,排尿によって軽快することが多い.

学びのポイント

●Hunner病変(膀胱粘膜のびらん)の有無でHunner型と非Hunner型に分類される.

●診断は,症状の聴取,膀胱粘膜所見の確認,類似疾患の除外診断によって行われる.

●原因不明で,治療は対症療法が中心となる.

▼定義

 「膀胱痛,膀胱違和感,頻尿などの過知覚膀胱症状を呈し,膀胱内にHunner(ハンナ)病変または,拡張術後粘膜出血を認める疾患」と定義される.

▼病態

 尿路上皮機能不全,炎症,低酸素状態などが病態として考えられているが解明されていない〔本項のトピックス参照〕.

▼疫学

 わが国でのICの罹患率は0.004%程度とされているが,諸外国では0.01~2.3%と報告されており,実際にはより多くの患者がいると

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