疾患を疑うポイント
●疝痛発作とよばれる,激しい背部痛,側腹部痛が特徴的.
●上部尿路結石は男性では40~60歳代に,女性では50~60歳代に好発する.
学びのポイント
●上部尿路結石と下部尿路結石に分けられる.
●結石の成分によって,病態が異なる.
●急性腎盂腎炎を伴うと,重症化することがある.
●超音波検査,腹部X線写真(KUB),CT検査などが診断に用いられる.
●自然排石しない場合は,手術が必要となる.
●再発率が高く,予防が重要である.
▼定義
尿路に形成された結石が,さまざまな症状を引き起こす疾患.
▼病態
尿中に溶解した状態で体外に排出されるべき物質が,なんらかの原因で結晶化し,結石を形成した状態である.結晶核の形成,成長,凝集,固化(結石化)の過程を経て,結石が形成される.
▼疫学
上部尿路結石は男性では40~60歳代に,女性では50~60歳代に好発する.男女比は2.2:1で男性に多い.下部尿路結石は男女とも高齢者に多い.
▼分類
存在する部位によって,腎結石,尿管結石,膀胱結石,尿道結石とよばれる.上部尿路結石(腎結石,尿管結石)と下部尿路結石(膀胱結石,尿道結石)に大別される.
結石成分は,その無機物質によって,①シュウ酸カルシウム,②リン酸カルシウム,③リン酸マグネシウムアンモニウム,④尿酸,⑤シスチンの5種類に大別される.その他,これらの混合結石や,キサンチン,アデニンなどがある.
➊カルシウム結石(シュウ酸Ca結石,リン酸Ca結石)
シュウ酸Ca結石が大部分であるが,リン酸Caとの混合結石がみられる.リン酸Ca結石では原疾患の存在に注意する必要がある.
➋感染結石
尿路感染が原因で生じる結石成分は,リン酸Mgアンモニウムが多い.尿中で尿素を分解するウレアーゼ産生菌(プロテウス属,クレブシエラ属,緑膿菌など)によって起こる.
➌尿酸結石
高尿酸尿症に伴い,尿酸が尿路内で結晶化し,結
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