疾患を疑うポイント
●無症候性肉眼的血尿を契機に発見されることが多い.
学びのポイント
●膀胱癌は全悪性腫瘍の1~1.5%を占める.90%以上が尿路上皮癌であるが,ほかに扁平上皮癌,腺癌がある.
▼定義
尿路上皮に発生する癌であり,腎盂,尿管,膀胱,尿道粘膜に発生する.再発頻度が高い.
▼病態
膀胱に発生した尿路上皮癌がほとんどであり,尿路上皮粘膜に発生した癌が粘膜を越え浸潤すると転移をきたす.組織学的異型度(グレード)や脈管浸潤(lymphovascular invasion:LVI)と癌の進達度は相関することが多い.組織学的異型度と深達度は予後と関連し,治療法の選択に際し重要である.リンパ行性転移ならびに血行性に肺・骨に転移巣を形成しやすい.
組織学的異型度を,細胞異型と構造異型の両方の観点からグレードgrade 1~3に分け,腫瘍の浸潤度(深達度)は,TisからT4までに分類する(TNM分類
関連リンク
- 治療薬マニュアル2024/ゲムシタビン塩酸塩《ジェムザール》
- 治療薬マニュアル2024/シスプラチン《ランダ》
- 治療薬マニュアル2024/マイトマイシンC《マイトマイシン》
- 今日の治療指針2024年版/腎盂・尿管腫瘍
- 今日の治療指針2024年版/膀胱腫瘍
- 今日の治療指針2024年版/尿道腫瘍(尿道カルンクルを含む)
- 臨床検査データブック 2023-2024/尿中サイトケラチン8・サイトケラチン18総量〔CK8・CK18〕《尿中膀胱癌抗原〔UBC〕》 [保] 160点(包)
- 臨床検査データブック 2023-2024/前立腺癌
- 臨床検査データブック 2023-2024/膀胱腫瘍
- 今日の診断指針 第8版/膀胱腫瘍(膀胱癌)