疾患を疑うポイント
●動脈硬化リスクの高い成人に生じた,意識障害,皮質症状,片麻痺や構音障害などの症状.初発症状が短時間で消失する一過性脳虚血発作であることも多い.
●頭頸部画像検査では,頭頸部血管に動脈硬化に起因する狭窄・閉塞を認め,その血管の灌流域に多発する小梗塞を認めることが多い.
学びのポイント
●初発症状は比較的軽度であることが多く一過性脳虚血発作で終わることも多いが,症状の進行・再発のリスクが高く,またそのリスクを内科的・外科的治療で劇的に減少させることができる可能性があるため,見逃してはならない疾患.
▼定義
「アテローム」とは,中~大型動脈の内膜に生じた,結合組織や結晶化したコレステロール,細胞成分や血小板,フィブリンが蓄積したもので,プラークと同義である.頭頸部血管に,このプラークによる50%以上の狭窄(血管径の半分以上がプラークで占められている)があり,その血管の灌流領域にのみ脳