診療支援
治療

1 脳梗塞総論
ischemic stroke
北川 一夫
(東京女子医科大学教授・脳神経内科学)

疾患を疑うポイント

●脳卒中のなかで最も多い.

●突然,運動片麻痺,言語障害,視野障害,感覚障害で発症することが多い.

学びのポイント

●脳梗塞の本態は脳動脈が閉塞することにより脳組織が虚血に陥ることであり,心原性脳塞栓症,アテローム血栓性脳梗塞,ラクナ梗塞,その他の脳梗塞に分類される.

●発症4.5時間以内はアルテプラーゼによる血栓溶解療法,脳主幹動脈閉塞例では発症24時間以内はカテーテルによる局所血栓回収療法の適応を考慮する.

●脳梗塞再発予防は高血圧をはじめとした内科的危険因子の管理と抗血栓療法からなり,心原性脳塞栓症では抗凝固薬,非心原性脳梗塞では抗血小板薬を選択.

▼定義

 脳動脈が急性または慢性に閉塞することにより脳組織が虚血に陥ることによる壊死であり,発生箇所によりさまざまな神経症状を呈する.脳動脈にアテローム硬化など器質的な変化があり同部位に血栓が形成,動脈が閉塞する場合(血栓性)と心臓

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