診療支援
治療

4 ラクナ梗塞
lacunar infarction
北川 一夫
(東京女子医科大学教授・脳神経内科学)

疾患を疑うポイント

●突然発症する一側半身の麻痺,感覚障害,構音障害,運動失調をみた場合にラクナ梗塞を疑う.

●脳CT,MRI画像で脳深部領域に1.5~2.0cm未満の脳梗塞を認める.

●健診で脳MRI画像を撮影すると,高齢者では神経症状を呈さない脳梗塞(無症候性脳梗塞)がしばしばみつかるが,その大部分の発症機序はラクナ梗塞と共通である.

学びのポイント

●ラクナ梗塞の本態は脳深部を灌流する穿通枝動脈(直径500μm未満)が細動脈硬化,微小粥腫によって血栓性閉塞をきたすことにより,その灌流領域に虚血性壊死を起こすことである.

●古典的ラクナ梗塞症候群は純粋運動性不全片麻痺,純粋感覚性卒中,失調性片麻痺,構音障害・手不器用症候群,感覚運動性卒中からなる.

●発症危険因子は,加齢と高血圧であり再発予防には血圧管理と抗血小板療法が重要である.

▼定義

 脳深部を灌流する穿通枝動脈の閉塞による最大径が15~20mm

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