疾患を疑うポイント
●突然発症する一側半身の麻痺,感覚障害,構音障害,運動失調をみた場合にラクナ梗塞を疑う.
●脳CT,MRI画像で脳深部領域に1.5~2.0cm未満の脳梗塞を認める.
●健診で脳MRI画像を撮影すると,高齢者では神経症状を呈さない脳梗塞(無症候性脳梗塞)がしばしばみつかるが,その大部分の発症機序はラクナ梗塞と共通である.
学びのポイント
●ラクナ梗塞の本態は脳深部を灌流する穿通枝動脈(直径500μm未満)が細動脈硬化,微小粥腫によって血栓性閉塞をきたすことにより,その灌流領域に虚血性壊死を起こすことである.
●古典的ラクナ梗塞症候群は純粋運動性不全片麻痺,純粋感覚性卒中,失調性片麻痺,構音障害・手不器用症候群,感覚運動性卒中からなる.
●発症危険因子は,加齢と高血圧であり再発予防には血圧管理と抗血小板療法が重要である.
▼定義
脳深部を灌流する穿通枝動脈の閉塞による最大径が15~20mm
関連リンク
- 治療薬マニュアル2024/アルテプラーゼ(遺伝子組換え)《アクチバシン グルトパ》
- 治療薬マニュアル2024/アスピリン《バイアスピリン》
- 治療薬マニュアル2024/(合剤)アスピリン・ダイアルミネート《バファリン》
- 治療薬マニュアル2024/クロピドグレル硫酸塩《プラビックス》
- 治療薬マニュアル2024/シロスタゾール《プレタール シロスタゾール》
- 治療薬マニュアル2024/オザグレルナトリウム《カタクロット》
- 治療薬マニュアル2024/アルガトロバン水和物《スロンノンHI ノバスタンHI》
- 治療薬マニュアル2024/エダラボン《ラジカット》
- 治療薬マニュアル2024/チザニジン塩酸塩《テルネリン》
- 治療薬マニュアル2024/バクロフェン《ギャバロン リオレサール》
- 治療薬マニュアル2024/バクロフェン《ギャバロン》
- 今日の治療指針2024年版/無症候性脳血管障害(未破裂脳動脈瘤を除く)
- 新臨床内科学 第10版/1 高血圧性脳出血
- 新臨床内科学 第10版/(1)脳血管れん縮
- 新臨床内科学 第10版/1 脳動脈瘤
- 新臨床内科学 第10版/アテローム血栓性脳梗塞
- 新臨床内科学 第10版/1 脳梗塞総論
- 今日の診断指針 第8版/脳梗塞(ラクナ梗塞)
- 今日の診断指針 第8版/脳梗塞(アテローム血栓性脳梗塞)