疾患を疑うポイント
●50~70歳代に発症し,認知機能障害,下肢優位のパーキンソニズムによる歩行障害,偽性球麻痺,尿失禁,自発性の低下などの精神症状を認める.
学びのポイント
●広範な白質病変を特徴とする疾患.
●ラクナ梗塞の多発による多発ラクナ梗塞型とあわせて皮質下血管性認知症に分類される.
●皮質下血管性認知症は血管性認知症の半数以上を占め,血管性認知症の主要な病型となっている.
Binswanger(ビンスワンガー)病は1894年に動脈硬化に起因する認知症として報告され,広範な白質病変を特徴とする疾患である.ラクナ梗塞の多発による多発ラクナ梗塞型とあわせて皮質下血管性認知症に分類される.さらに,脳アミロイド血管症を加え脳小血管病に分類される.Binswanger病の病理学的変化としては,高血圧を原因とする髄質動脈の中・外膜の膠原線維の増生,中膜平滑筋細胞の脱落で,血管反応性低下による血管の土管