疾患を疑うポイント
●急速に悪化する認知機能障害に加え,視覚症状,小脳症状,錐体路/錐体外路症状,ミオクローヌスなどを呈し,数か月以内に無動性無言に至る.
●MRI・拡散強調像での大脳皮質や線条体の高信号,脳波でのPSD,脳脊髄液の総タウ蛋白や14-3-3蛋白の高値が診断の参考となる.
▼定義
プリオン病は,感染性を有する異常なプリオン蛋白(prion protein:PrP)の中枢神経系への蓄積によって発症する致死的疾患の総称であり,CJDは代表的なプリオン病である.
▼病態
CJDの臨床経過は3期に分けられる.第1期には倦怠感,ふらつき,めまい,活動性の低下などの非特異的症状がみられ,第2期に認知機能障害(記銘力障害,実行機能障害など)が進行し,ミオクローヌスが出現する.精神症状(不穏,不眠など),錐体路症状(腱反射亢進,運動麻痺,病的反射など),錐体外路症状(筋強剛,ジストニア,パーキンソ