疾患を疑うポイント
●新生児から高齢者まで,全年齢で発症しうる.
●発症は,①数時間のうちに進行する劇症型,②数日かけ進行性に悪化する病型がある.
●急性発症の発熱を伴った頭痛で発症することが多く,進行すると意識障害を呈する.
●主要症状は頭痛,項部硬直,発熱,意識障害であるが,成人でこれらが揃うのは約半数である.治療開始までの時間が生命予後に大きく影響するため,症状が軽微でも,常に念頭におく.
学びのポイント
●細菌性髄膜炎は,発症から初期治療開始までの時間が患者の転帰に大きく影響するため,緊急対応を要する疾患(neurological emergency)である.治療は,その緊急性と病態を理解して臨む必要がある.
●急性の頭痛・発熱を主徴とし,髄膜刺激徴候を認め,髄液検査で多形核球優位の細胞増多を示す.
●本症を疑った場合,入院後1時間以内に適切な経験的抗菌薬治療をただちに開始する.
▼定義
くも膜・軟