【6】脊髄硬膜外膿瘍

spinal epidural abscess

高松　和弘

（脳神経センター大田記念病院・脳神経内科）

▼定義

　脊髄硬膜外膿瘍は硬膜外腔に脊髄の機械的圧迫につながりうる膿の貯留した状態である．

▼病態

　脊髄硬膜外膿瘍は通常胸椎または腰椎領域に生じる．原因は，①化膿性脊椎炎，褥瘡，後腹膜膿瘍など隣接の感染巣からの直接波及，②細菌性心内膜炎，皮膚の癤，歯槽膿瘍など遠隔感染巣からの血行性播種で生じる．約1/3の症例では原因を特定できない．

▼原因菌

‍　黄色ブドウ球菌が最も多く，ついで大腸菌と

初出:新臨床内科学　第10版 発行:2020年3月

収載:医学書院 医療情報サービス（2024年5月17日　掲-ID：rng_03806-10_a010b004z0006）