診療支援
治療

(1)高フェニルアラニン血症
hyperphenylalaninemia
深尾 敏幸
(岐阜大学大学院教授・小児病態学)

 血中フェニルアラニン(Phe)濃度が2mg/dL(120μmol/L)異常を高Phe血症という.Phe水酸化酵素(phenylalanine hydroxylase:PAH)自体の異常による場合と,補酵素テトラヒドロビオプテリン(tetrahydrobiopterin:BH4)の産生障害に大きく区別される.したがって高Phe血症ではBH4負荷試験で鑑別をすることが必須である.

Phe水酸化酵素(PAH)異常症

 新生児マス・スクリーニングの普及で無治療例はほぼなくなっている.無治療例では精神発達遅滞,赤毛,色白をきたす.古典型フェニルケトン尿症(phenylketonuria:PKU)〔第6章「フェニルケトン尿症」の項()を参照〕,BH4反応型高Phe血症,血中Phe濃度が2~4mg/dL程度で治療を必要としない軽症高フェニルアラニン血症に分類される.Phe除去ミルクと普通ミルクもしくは

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