疾患を疑うポイント
●大量飲酒,胃切除後,低栄養状態などに続発する.
●意識障害,外眼筋麻痺,小脳失調が三徴.
学びのポイント
●ビタミンB1(チアミン)欠乏により意識障害,外眼筋麻痺,小脳失調の三徴を呈する.
●臨床症状,MRI所見,血中ビタミンB1低下によって診断する.
●ビタミンB1の補充により症状はすみやかに改善するが,後遺症を残すこともある.必ずブドウ糖薬投与前にビタミンB1薬を投与する.
▼定義
ビタミンB1(チアミン)欠乏により意識障害,外眼筋麻痺,小脳失調の三徴を呈する疾患.
▼病態
ビタミンB1は細胞膜の浸透圧勾配の維持やミトコンドリアでの糖代謝における補酵素として働き,関連する糖代謝に強く依存する部位としては中脳水道周囲,第四脳室底,視床内側,乳頭体,小脳虫部がある.ビタミンB1の不足によりこれらの部位に浸透圧勾配の破綻やエネルギー産生障害,酸化ストレスによる細胞障害をきたし,臨床症状
関連リンク
- 治療薬マニュアル2024/ブドウ糖《ブドウ糖 ブドウ糖》
- 治療薬マニュアル2024/チアミン塩化物塩酸塩《メタボリン》
- 臨床検査データブック 2023-2024/ビタミンB1欠乏症
- 臨床検査データブック 2023-2024/ビタミンB2欠乏症
- 新臨床内科学 第10版/(5)ビタミンB1欠乏症
- 新臨床内科学 第10版/(8)ビタミンB12欠乏症
- 新臨床内科学 第10版/(2)栄養・代謝障害による認知症
- 新臨床内科学 第10版/(2)ビタミンB12欠乏
- 新臨床内科学 第10版/(3)葉酸欠乏
- 新臨床内科学 第10版/(4)二次性栄養障害など
- 今日の診断指針 第8版/ビタミン欠乏症(Wernicke脳症およびビタミンB12欠乏症)