学びのポイント
●Wernicke脳症は内科領域の救急疾患である.早期診断と早期適切な治療がきわめて重要である.
●Wernicke脳症ではビタミンB1投与前にブドウ糖薬を投与すると病態が一気に悪化する.
◎脚気ニューロパチー
▼定義
ビタミンB1欠乏による下肢優位・遠位優位障害の亜急性運動感覚ニューロパチーである〔第6章「ビタミンB1欠乏症」の項(→)も参照〕.
▼症状
下肢しびれ感やジンジンする異常感覚の自覚後,下肢脱力,歩行障害を生じる.
▼診断
血中ビタミンB1濃度(正常値下限:20ng/mL)の低下がある.電気生理学的検査で下肢末梢神経に軸索障害型伝導異常を認める.
▼治療
ビタミンB1薬を補充するがビタミンB12や葉酸などほかのビタミン欠乏症の合併にも注意する.糖尿病の合併例ではポリオール経路の異常を考慮してビタミンB12薬などを併用する.
◎Wernicke脳症
▼定義
ビタミンB1欠乏にて視