診療支援
治療

4 薬物による神経障害と医原性疾患
川井 元晴
(山口大学大学院准教授・臨床神経学)

疾患を疑うポイント

●治療中に出現あるいは増悪した神経症状に対して,薬剤が原因ではないかと疑うことが重要.

●投与中止が原疾患の治療に影響する場合も少なくないため断定には慎重さも必要.

●禁止薬物の場合は本人から正確な情報が得られないことがしばしば.

学びのポイント

●中枢神経系と末梢神経系の一方またはその両者に障害を及ぼす.

●個人差が大きいため投与量が適正であっても生じる可能性がある.

●早期の投与中止が最大の治療法.

●Reye症候群については,インフルエンザや水痘などのウイルス感染症を発症した15歳未満の小児にはアスピリンを含むサリチル酸系消炎鎮痛薬やジクロフェナクは投与禁忌.

▼定義

 薬剤投与後に出現した神経障害.

▼病態

 薬剤の薬理作用による機序アレルギーによる機序がある.前者は用量依存性だが後者は用量に依存しない.

 薬剤の使用開始数週~数か月後に神経症状が生じ,発症早期に薬剤の投与中止または減

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?