学びのポイント
●本症は遺伝性末梢神経疾患のなかで最も頻度が高いが,遺伝子解析手法の進歩によりさまざまなgenotype,phenotypeが発見されており,ほかのmotor-sensoryニューロパチーを呈する疾患としっかりと鑑別する必要がある.
▼定義
CMTは遺伝性末梢神経障害をきたし,下肢の萎縮や変形を主症状とするタイプが多い.
▼病態
四肢遠位部の筋力低下,筋萎縮,感覚障害をきたす.筋萎縮による足底の凹足,逆さシャンパンボトル様変形などが特徴となる.病初期は足の骨間筋,虫様筋などの最遠位の筋が障害されるのみで感覚障害も足先の疼痛や冷感にとどまる場合が多い.CMT全体に共通する一般的な合併症としては,腰痛,便秘,足関節拘縮などが多くみられる.遺伝子異常のタイプによって,声帯麻痺,自律神経障害(排尿障害,空咳,瞳孔異常),視力障害,錐体路障害,糖尿病,脂質代謝異常症などの合併がみられるケー