疾患を疑うポイント
●全身(顔面・四肢など)のけいれんで,意識減損,眼球上転(白目をむく)や口から泡を吹くことを伴う場合は,大脳皮質の過剰な電気的興奮による強直間代発作を疑う.
学びのポイント
●大脳皮質の過剰な電気的興奮で全身のけいれんが出現.
●全身性に骨格筋の持続収縮を示す強直相で始まり,ついで筋の収縮と弛緩を律動的に繰り返す間代相に移行する.
●発作を繰り返す慢性のてんかん病態以外に,急性の中枢神経障害に関連して急性症候性発作としても出現.
▼定義
大脳皮質の過剰な電気的興奮により全身(顔面・四肢など)のけいれんが出現する.全身性に骨格筋の持続収縮を示す強直相で始まり,ついで筋の収縮と弛緩を律動的に繰り返す間代相(「ガクガク」としたけいれん)に移行する.大脳皮質全体が一斉に過剰興奮する狭義の「全般性」の強直間代発作と,大脳皮質の一部から過剰興奮が始まり大脳全体に広がり「二次性」に出現する強直間代発作(二次性全般化)に分類される.
▼病態
てんかんとは,「慢性の脳の病気で,大脳の神経細胞が電気的に過剰に興奮するために,脳の症状であるてんかん発作が反復性に起こるもの」と定義される.
てんかんは,全般てんかんと部分てんかん(局在関連性てんかん)に二分される.大脳皮質全体が一斉に過剰に興奮して,てんかん発作(全般発作)が出現する病態が全般てんかんである.一方,大脳皮質の一部が過剰興奮する性質を獲得して(てんかん焦点),大脳皮質の限局した領域から過剰興奮が始まりてんかん発作(部分発作)が生じる病態が部分てんかんである.病因としては,遺伝的な背景(素因)をもつ「特発性」と,先天的(皮質形成異常など)ないし後天的(脳血管障害,外傷,炎症,腫瘍など)な要因による「症候性」にわけられる.よって,てんかんは,特発性全般てんかん,特発性部分てんかん,症候性全般てんかん,症候性部分てんかん,の4病態に大
関連リンク
- 新臨床内科学 第10版/3 けいれん性てんかん重積状態
- 治療薬マニュアル2024/ラモトリギン《ラミクタール》
- 治療薬マニュアル2024/カルバマゼピン《テグレトール》
- 治療薬マニュアル2024/レベチラセタム《イーケプラ》
- 治療薬マニュアル2024/レベチラセタム《イーケプラ》
- 新臨床内科学 第10版/4 捻転ジストニア
- 新臨床内科学 第10版/ミオトニア症候群
- 今日の治療指針2023年版/ストリキニーネ
- 新臨床内科学 第10版/(3)先天性パラミオトニア
- 今日の治療指針2023年版/ミオクローヌス
- 新臨床内科学 第10版/4 レンノックス-ガストー症候群
- 新臨床内科学 第10版/5 小児欠神てんかん
- 今日の小児治療指針 第17版/歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症
- 今日の精神疾患治療指針 第2版/心因性非てんかん性発作