診療支援
治療

5 小児欠神てんかん
childhood absence epilepsy
赤松 直樹
(国際医療福祉大学教授・脳神経内科学)

疾患を疑うポイント

●4~10歳に発症し,10秒前後の意識消失をきたす発作.けいれんや転倒はなく,動作停止が主症状.

学びのポイント

●欠神発作は特発性全般てんかんでみられる発作の1つである.小児欠神てんかんは,欠神発作をきたす代表的なてんかん症候群である.

▼定義

 4~10歳に発症し,定型欠神発作を主症状とする.脳波では全般性3Hz棘徐波複合を呈する.かつては,欠神発作は小発作(petit mal〈仏〉,プチマル),欠神てんかんはpiknolepsyと記載されていた.

▼病態

 特発性全般てんかんに分類され,通常は欠神発作以外に特定の症状はない.発達は正常である.しかし,一部の例では行動障害,学業成績不振などがみられることがある.

▼疫学

 頻度は正確には不明であるが,小児てんかんの2~10%程度と考えられている.欠神てんかんは女児に多いことが知られている.

▼診断

 定型欠神発作は,4~20秒(多くは15

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