●末梢神経疾患の診断に最も有用な検査は神経伝導検査で,運動神経と感覚神経について,軸索障害か脱髄性障害かの病態の評価が可能になる.筋力低下や脱力をきたす場合は,筋疾患や運動ニューロン疾患,神経根・脊髄障害との鑑別に,針筋電図検査を行う.
◆神経伝導検査
●神経伝導検査は,末梢神経を電気刺激して被検神経が支配する筋活動や感覚神経活動を分析する検査である.記録される電位は,運動神経伝導検査では運動単位電位が集合した複合筋活動電位(compound muscle action potential:CMAP,通称M波),感覚神経伝導検査では単一神経電位が集合した複合感覚神経活動電位(sensory nerve action potential:SNAP)である.
◎神経伝導検査の目的
①末梢神経障害があるかどうか
②病変分布は限局性か広汎性か─単ニューロパチー,多発ニューロパチー,多発単ニューロパチー