抗菌薬は,その起源の多くが細菌や真菌が産生する物質であったことから,従来,抗生物質といわれていた.現在では,ニューキノロン系薬のように化学合成される抗菌性物質(化学療法剤)も多くを占めるようになったことから,抗菌薬と総称されている.
➊β-ラクタム系薬
本系統は,β-ラクタム環を基本骨格に有する薬剤であり,ペニシリン系とセファロスポリン系に大別される.
古典的ペニシリンであるペニシリンGのほか抗菌スペクトルをグラム陰性菌(緑膿菌を除く)にまで拡大したアンピシリンやアモキシシリン薬と緑膿菌にも抗菌力を示すピペラシリンなどが実用化されている.その後,ペニシリナーゼと結合し,その作用を抑えるβ-ラクタマーゼ阻害薬としてクラブラン酸やスルバクタムをそれぞれアモキシシリン,アンピシリンに結合させた合剤が臨床使用されている.
一方,β-ラクタム環に隣接する結合基の違いによるセファロスポリン系と,種類は
関連リンク
- 治療薬マニュアル2024/アモキシシリン水和物《サワシリン パセトシン ワイドシリン》
- 治療薬マニュアル2024/セファクロル《ケフラール》
- 治療薬マニュアル2024/セフォチアム塩酸塩《パンスポリン》
- 治療薬マニュアル2024/セフジトレン ピボキシル《メイアクトMS》
- 治療薬マニュアル2024/セフポドキシム プロキセチル《バナン》
- 治療薬マニュアル2024/アズトレオナム《アザクタム》
- 治療薬マニュアル2024/ビアペネム《オメガシン》
- 治療薬マニュアル2024/ゲンタマイシン硫酸塩《ゲンタシン》
- 治療薬マニュアル2024/トブラマイシン《トブラシン》
- 治療薬マニュアル2024/トブラマイシン《トービイ》
- 治療薬マニュアル2024/エリスロマイシン《エリスロマイシン》
- 治療薬マニュアル2024/クラリスロマイシン《クラリシッド クラリス》
- 治療薬マニュアル2024/アジスロマイシン水和物《ジスロマック》
- 治療薬マニュアル2024/テトラサイクリン塩酸塩《アクロマイシン》
- 治療薬マニュアル2024/(合剤)水酸化アルミニウムゲル・水酸化マグネシウム《マーロックス マルファ》
- 治療薬マニュアル2024/シプロフロキサシン塩酸塩《シプロキサン》
- 治療薬マニュアル2024/シプロフロキサシン《シプロキサン》
- 治療薬マニュアル2024/レボフロキサシン水和物《クラビット》
- 治療薬マニュアル2024/バンコマイシン塩酸塩《塩酸バンコマイシン》
- 治療薬マニュアル2024/テイコプラニン《タゴシッド》
- 治療薬マニュアル2024/リネゾリド《ザイボックス》
- 治療薬マニュアル2024/ダプトマイシン《キュビシン》
- 今日の治療指針2024年版/生菌製剤
- 今日の治療指針2024年版/ウパダシチニブ水和物
- 今日の治療指針2024年版/リンコマイシン系抗菌薬
- 今日の治療指針2024年版/ドルテグラビルナトリウム・リルピビリン塩酸塩
- 今日の治療指針2024年版/ホスラブコナゾールL-リシンエタノール付加物
- 臨床検査データブック 2023-2024/黄色ブドウ球菌ペニシリン結合蛋白2'〔PBP2'〕 [保]*
- 新臨床内科学 第10版/7 抗真菌薬
- 新臨床内科学 第10版/8 抗ウイルス薬
- 今日の整形外科治療指針 第8版/化膿性疾患の化学療法