診療支援
治療

(3)抗GBM病
anti-glomerular basement membrane disease
保田 晋助
(東京医科歯科大学教授・膠原病・リウマチ内科)

疾患を疑うポイント

●急速な腎機能の悪化と尿所見の異常を認める.

●肺胞出血などの呼吸器病変を伴うことがある.

学びのポイント

●急速進行性糸球体腎炎や肺腎症候群をきたす疾患として,ANCA関連血管炎,SLEとともにおさえておくべき疾患.

●一般に腎予後は不良.

▼定義

 抗糸球体基底膜(glomerular basement membrane:GBM)抗体が陽性であり,急速進行性糸球体腎炎(rapidly progressive glomerulonephritis:RPGN)を呈する疾患群.腎炎のみの場合と,肺出血を伴う場合がある.

▼病態

 抗GBM抗体は糸球体基底膜および肺胞毛細血管基底膜に対する自己抗体であり,Ⅳ型コラーゲン上の通常は隠されているcryptic epitope(潜在抗原決定基)を認識する.感染症や炎症によって基底膜が障害されることでGBM抗体が結合し,局所で免疫複合体を形成,補体の

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