診療支援
治療

2 偽痛風
pseudogout
益田 郁子
(十条武田リハビリテーション病院・リウマチ科部長)

疾患を疑うポイント

●高齢者に多い急性単関節炎(炎症が6~24時間でピーク)で膝などの大関節に生じ,発熱など全身症状を伴うことが多い.

●単純X線上で関節軟骨や周囲組織の石灰化(軟骨石灰化症,chondrocalcinosis:CC)がみられる.

学びのポイント

●CPP結晶による結晶誘発性急性関節炎であり,高齢者では決してまれでない.

●確定診断にはCPP結晶の同定が必要だがX線上の軟骨石灰化があれば疑わしい.

●典型的な偽痛風発作とは,高齢者の膝関節などの急性単関節炎で,局所の激しい炎症と,発熱やCRP高値など全身症状を呈する.発作間欠期があり,反復・慢性化すると関節破壊をきたす.

▼定義

 関節軟骨や周囲組織に石灰沈着をきたすピロリン酸カルシウム(calcium pyrophosphate:CPP)結晶沈着症(CPPD)の一病型で,CPP結晶誘発性急性関節炎をいわゆる狭義の「偽痛風」(pseudog

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