疾患を疑うポイント
●全身の結合組織の慢性的な痛みや多彩な心身症状を呈する.
●FM患者の80~90%は女性で中高年期に多く発症する.
●原因不明の痛みとされることが多い.
学びのポイント
●FSSに包含される病態.
●NSAIDsなどの鎮痛薬やステロイドが無効で慢性疼痛に対する薬剤選択が必要.
●薬物治療に加え心身両面からの対応が必要.
▼定義・病態
身体の広範な部位に原因不明の慢性疼痛(wide-spread pain)と全身性のこわばりを主徴候とし,多彩な身体,神経・精神症状を伴い,臨床検査や画像検査などで説明できる異常を見出せない機能性身体症候群(functional somatic syndrome:FSS)に属する特異なリウマチ性疾患である.Sjögren(シェーグレン)症候群や関節リウマチなど種々の膠原病,脊柱管狭窄症などの整形外科疾患を基礎疾患として説明困難な全身の痛みや不定愁訴があると